倉庫・工場の賃料滞納と明渡しトラブル
倉庫・工場の賃料滞納と明渡しトラブルの特徴
倉庫・工場の賃料滞納・明渡しのトラブルの場合、上記のオフィス・ロードサイド店舗以上に物件内に存在する動産類の扱いが問題になります。倉庫であれば、在庫商品等が大量に存在していたり、工場の場合、大型の什器・機械などが設置されていることが珍しくありません。
このような状況で単純に明渡しの強制執行を行うと、商品や大型什器・機械の処理のための費用(執行補助業者費用)が膨大な金額になってしまいます。他方、上記の商品や大型の什器・機械などは賃借人(及び同業者)には、価値がある動産も含まれています。
倉庫・工場の賃料滞納と明渡しトラブルの対応方法
そこで、賃借人に動産類を任意に引き上げるように交渉し、場合によっては、不動産賃貸人の先取特権により動産執行を行い、事実上動産を処理するという方法を検討することも必要です。
倉庫・工場の賃料滞納・明渡しトラブルの対応では、物件内の動産類の処理費用と早期明渡し実現のメリットのバランスをとることが難しい場合がありますので、この点を慎重に見極めることが重要です。
トラブルに強い賃貸借契約~予防法務のすすめ~
倉庫・工場の賃貸借では、明渡し時の動産処理のコストが最大の問題ですので、契約時の保証金の設定を慎重に見積もることが重要です(長期間の賃借人がいない物件で保証金を低廉にして賃貸した結果、賃借人が破産して残置物処理で大幅な負債をおったという事例も珍しくありません)。
また、大型の什器・機械の設置については、契約時点で対象を限定し、追加設置の際は賃貸人の了承を得るなどの手当ても検討するとよいでしょう。